vol. 01
GIEN
中村 萌さん
売れる美容師が持つ様々な成功事例。どのような想いで美容師人生を歩み、サロンワークに取り組み、そして成功へと至ったのか。このコーナーではそんな成功事例を皆様にご紹介していきます。まず第1回目は、大阪市都島区のGIEN（ジアン）で女性店長として活躍されている中村萌さんにお話を伺いました。女性スタッフが揃い、女性専用サロンとして、多くの顧客から支持されているGIEN。そんなGIENで中村さんが美容師としてどのように過ごし、成功事例を生み出していったのか。その秘密に迫りたいと思います。
GIEN WEBサイト http://www.gienharvest.com/
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中村 萌（ナカムラ モエ）
サロン名：GIEN（ジアン）
役職：店長
美容師歴：5年
1988年生まれ。ル･トーア東亜美容専門学校卒業後、2009年にGIENオープニングスタッフとして入社。2011年にスタイリストデビューし、2013年には店長職へ就く。女性ならではのカウンセリングや、ヘアだけでなくメイクやファッションなどトータルな提案を得意とし、多くの顧客から支持を集め、月間売上200万を達成している。
美容師になろうと思ったのは高校3年生の時です。当時進路に迷っていて、「自分は将来何がしたいのか、どんな人になりたいのか」と自問自答しながら、精一杯考えて出した答えが「美容師」でした。何となくですが、美容師に対しては憧れの職業として、小さい頃から興味はあったんです。自分自身、おしゃれや美容が今も昔も大好きですし。それに美容師は髪型やメイクでその人の外見はもちろんのこと、内面からも良い方向に変えることができる仕事。そんな仕事に就きたいという想いで、美容師を目指すことにしました。美容学校卒業後、半年ほど就職先は決まらなかったのですが、そんな時GIENが出していたオープニングスタッフ募集の求人を見つけました。何もわからないながらに「新しいお店を作っていく」ということに対して、ワクワクしていたのを覚えています。オーナーの井上と初めて会った面接の日に、井上の熱い想いや勢い、そして夢を感じ、「私もここで成長したい！美容師になりたい！」と強く思いました。その後、縁あってGIENに入社することとなりましたが、今思えば直感と、美容学校の同期のみんなより半年間遅れている、その差を1日でも早く取り戻したい、という気持ちが大きかったんだと思います。
GIENはオーナーの井上と先輩の女性スタイリスト、アシスタントの私、3名でオープンしました。広さ16坪の店内にセット面4台、シャンプー2台という設備でしたが、オーナーと先輩が売れるスタイリストだったおかげで、毎日たくさんのお客様に来店していただき、セット面とシャンプー台がすぐに埋まってしまうほど。オープンして1年経たずに、生産性が100万を超えたぐらいです。とても忙しい日々でしたが、営業中はオーナーと先輩の技術を盗むのに必死でした。レッスンでもそうでしたが、意識していたのは「時間は自分で作る」ということ。毎週夜2回のレッスン以外に、毎朝1時間はレッスンしていました。時間だけは誰にも負けたくなかったんです。気合いを入れてレッスンに取り組んでいたので、しんどいと思ったことはありません。ただ、スタイリストデビューまでのモデルノルマが50人だったんですけど、なかなかモデルが決まらず焦ったことはありましたね。もっと早くやっていればな…と。ですが何とか2年でスタイリストデビューすることができましたし、デビュー後もしばらくは月10名モデルレッスンをやっていました。自分のためにも続けないといけないと思っていましたね。
スタイリストデビュー後は不安の連続です。スタイリストになると今まで以上に担当者としての責任が付いてきますし。仕事が怖いと思っていた時期もありました。自分の年齢やキャリアを気にしていたのもこの頃ですね。自分とプラスマイナス5歳以上離れるお客様は特に怖かったです。特に30代～40代のお客様。どう接していけばいいのか、わからなくなっていました。とにかく、自分の見た目や話し方を大人っぽくしようとして、逆に固くなって自分を出せなくなっていましたし。そんな不安な気持ちと空回りしていることがお客様にも伝わっていたんでしょうね。よく「中村さんって、若いですね…」と言われたのを覚えています。
そんな状態だったので、正直言ってデビュー後の1年間は売上や数字の意識が全くありませんでした。当時は「再来率って何？」っていう感じです。当然売上が大きく上がるわけはなく、かといって大きく下がることもない日々が続きました。意識が変わってきたのは、後輩のデビューが決まった時です。「後輩のためにも、自分もやるしかない！」って。がむしゃらに頑張って、デビュー後1年間は月間売上80万ほどでしたが、1年半経つ頃には月間売上100万を達成することができました。
そんな中、昨年のことですが、先輩の女性スタイリストが結婚のため退社することになったんです。当時GIENは2店舗目のJILL by GIEN（ジルバイジアン）を近くに出店しており、オーナーはJILL店へ、GIENは先輩が店長を務めていました。先輩は多くのお客様から支持され売上も200万以上ありましたし、退社後はお客様をスタッフ達が引き継ぐことになるわけです。それに当時24歳だった私が店長職を引き継ぐことも決まり、今後は自分のことだけでなく、お店全体のことを考えないといけません。また不安に襲われましたが、やっぱり責任感を持って「やるしかない！」と。先輩から引き継ぐお客様は私がアシスタントの頃から知っている方ばかりでしたが、不安にさせることのないように、しっかりと説明させていただきました。おかげさまでお客様の引き継ぎもスムーズにいき、自分自身の月間売上も50万アップすることができました。
売上に対して更に意識を高めるきっかけとなったのは、昨年参加させていただいたメーカーさんの合宿研修です。全国の美容師が集まって、カウンセリングについてグループワークを行うという合宿内容でした。アシスタント時代からトリートメントカウンセリングを担当していたので、ある程度自信はありましたが、合宿に参加した人たちとグループワークしていく中で、実際はまだまだ薄い、表面的なカウンセリングをしていたと痛感しましたね。参加者同士で徹底的にカウンセリングを見直し、お客様のタイプに合わせた言葉の数やコミュニケーションの数がどんどん増えていきました。今思えば、お客様には本当にもったいないカウンセリングをしていたと思います。できることなら昔に戻って、もっと私の話を聞いてほしいですし、カウンセリングをやり直したいぐらいですね。
自分のカウンセリングが変わった実感と共に、店販売上にも変化が現れました。私の店販売上はデビュー時10万、合宿参加前で15万ほどでしたが、合宿参加後は昨年末で30万まで上がり、現在はありがたいことに最高40万まで上がりました。以前はカウンセリングしながら、お客様の表情を気にし過ぎていたと思います。「このトリートメント、ちょっと高いからおすすめしたらお客様が嫌がるんじゃないかな…」と、押しも弱かったです。ですが合宿に参加してから、これまで以上にプロとしての意識を持つようになりましたし、カウンセリングで「はっきりおすすめしても大丈夫！」と思うようにしました。商品を高いと思うのは美容師の都合ですからね。お客様から「その商品ほしい！」と言ってもらえるようにカウンセリングしていくことで、「私のこと、わかってくれてる！」という反応が返ってくるようになりましたし、順調に店販が売れるようにもなりました。
今年3月には月間売上200万を達成することができました。現在のサロンワークについては、カット・カラーメニューを1時間45分で仕上げています。やはり時間をいかにして使うか、ということに対しては昔から変わらず、強く意識するようにしています。カウンセリング時間は5分で、技術しながらのカウンセリングも行っています。あと、以前よりもカルテをよく見るようになりましたね。お客様の職業や来店時の雰囲気など、しっかりチェックするようにしています。リピートのお客様には前回来店時のお話をするなど、「覚えていますよ！」というアピールは忘れません。
今後は美容師として、技術力や接客力、コミュニケーション力はもちろんのこと、発信力や向上力を常に持って、人としても成長していきたいと思います。お客様やスタッフ、ディーラーさんやメーカーさん、周りの人たち全てを巻き込んで、良い影響を与えられるようになりたいですね。そうすることが、自分自身にとっても一番の幸せだと感じています。
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